間取り別(1K・1LDK・2LDK・店舗)原状回復費用の相場と退去精算の極意

「退去の連絡が来たけれど、次の募集に向けて原状回復費用はいくら見込んでおけばいい?」
「テナントが退去する際、どこまでスケルトン戻しをさせるべきか相場がわからない…」

賃貸経営において、退去時の「原状回復」は大家さんが最も頭を悩ませるポイントの一つです。見積もりを見て「こんなに高いの?」と驚くこともあれば、入居者との負担割合を巡ってトラブルに発展し、次の入居者募集(空室対策)が遅れてしまうケースも後を絶ちません。

結論から申し上げますと、原状回復費用の相場は居住用であれば「平米あたり約1,000円〜1,500円(ハウスクリーニング代)+修繕費」、オフィスや店舗であれば「坪あたり3万円〜10万円以上」と、用途や間取りによって大きく変動します。この記事では、客付け営業や賃貸管理の最前線で数多くの退去立ち会いを行ってきた実務の視点から、間取り別・用途別の具体的な相場感と、無用なトラブルを防ぐためのノウハウを徹底的に解説します。

1. 【最速回答】原状回復費用の相場早見表(居住用・オフィス)

まずは、全体像を把握していただくために、間取りや用途ごとの一般的な原状回復費用の相場を一覧で提示します。あくまで目安ですが、予算立ての参考にしてください。

用途・間取り別 原状回復費用相場
1K・ワンルーム 30,000円 〜 50,000円程度(※ヤニ汚れ等がない標準的な場合)
1LDK・2DK 50,000円 〜 80,000円程度
2LDK以上 80,000円 〜 150,000円程度
オフィス・事務所 坪単価 30,000円 〜 50,000円程度
店舗(スケルトン戻し) 坪単価 50,000円 〜 100,000円以上(業態による)

※上記は「大家さん負担分」「借主負担分」を合わせた、物件を元に戻すためにかかる総額の目安です。実際の借主への請求額は、ここから経年劣化分を差し引いた金額になります。

2. 居住用賃貸(アパート・マンション)の間取り別相場と傾向

居住用物件の原状回復費用 相場は、部屋の広さ(平米数)に比例して高くなりますが、それ以上に「どのような属性の人が住んでいたか」によって汚れの質や修繕箇所が大きく変わります。間取り別に現場でよくあるケースを見ていきましょう。

1K・ワンルームの費用相場(約3万〜5万円)とよくある事例

【主な内訳】ハウスクリーニング費(約2万〜3万円)、エアコン洗浄(約1万円)、一部クロスの補修など

1Kやワンルームは単身者向けであるため、住む人のライフスタイルによって部屋の痛みが極端に分かれます。日中は仕事でほとんど家にいなかった人の場合、数年住んでもハウスクリーニングだけで済むケースが多々あります。

一方で注意すべきは「室内での喫煙(タバコのヤニ・臭い)」「結露の放置によるカビ」です。タバコのヤニ汚れは、通常のクリーニングでは落ちず、クロスの全面張替えが必要になることが多く、ワンルームであっても費用が10万円近くに跳ね上がる原因となります。この場合、ヤニ汚れは「借主の善管注意義務違反」にあたるため、借主へ費用請求(負担割合に応じた請求)を行うのが一般的です。

1LDK・2DKの費用相場(約5万〜8万円)とよくある事例

【主な内訳】ハウスクリーニング費(約4万〜5万円)、水回り(キッチン・浴室)の頑固な汚れ落とし、建具のちょっとした傷補修など

1LDKや2DKは、同棲カップルや新婚層が多く入居する間取りです。単身者よりも自炊の頻度が上がり、お風呂やトイレの使用回数も増えるため、水回りの水垢、カビ、キッチンの油汚れが頑固に付着しているケースが目立ちます。

実務の現場では、カップルの場合「彼氏・彼女のどちらかが掃除をするだろう」という心理が働き、結果的に換気扇の奥や排水溝が放置されてドロドロになっている…という事態をよく見かけます。水回りの専用洗剤や特殊清掃が必要になると、クリーニング業者の見積もりが通常より数万円単位でアップすることがあります。

2LDK以上の費用相場(約8万〜15万円)とよくある事例

【主な内訳】広範囲のハウスクリーニング費、フローリングのえぐれ傷補修、落書き・シール跡の撤去、網戸の張替えなど

2LDKや3LDKといったファミリー向け物件では、子供の成長に伴う汚れや傷が必ず発生します。フローリングにおもちゃを落とした大きなえぐれ傷、壁紙への落書き、ドアへのシール貼りなどは定番です。これらは原則として借主負担(過失)として請求できる部分ですが、範囲が広いため総額が10万円を優に超えてくるケースが多いです。

【実務の裏側】ペット飼育物件の原状回復リスクをどう抑えるか

私自身、ペット可物件の仲介や管理に特化して動いている経験上、2LDK以上の戸建てやアパートを「ペット可(犬・猫)」で貸し出した場合の退去精算は、通常の相場を大きく超える(20万〜30万円以上)ことが珍しくありません。壁の引っ掻き傷、柱の噛み跡、そして何より「床に染み付いたアンモニア臭」の消臭・張替えが必要になるからです。

これを防ぐためには、単に敷金を多めに預かる(償却にする)だけでなく、入居時の契約に「ペットによる汚損・破損は経年劣化を考慮せず借主の実費負担とする」といった特約を明記すること。そして、可能であれば「エルズサポートの家財保険」など、借主の過失による汚損をカバーしてくれる少額短期保険にしっかり加入してもらう(代理店を通さずとも借主自身に加入させる)仕組みを作ることが、大家さんの手出しを減らす最強の防衛策となります。

3. オフィス・店舗(テナント)の原状回復費用相場

居住用とはルールが全く異なるのが、オフィスや店舗といった「テナント物件」の原状回復です。テナントの場合、原則として「経年劣化の考慮」という概念が適用されず、「借りた時の状態(スケルトンならスケルトン、居抜きならその状態)に完全に戻すこと(100%借主負担)」が契約上の基本となります。

オフィス・事務所の相場(坪単価3万〜5万円)

一般的な事務所の場合、造作(壁を立てるなど)をあまり行っていなければ、比較的安価に収まります。主な工事内容は以下の通りです。

  • タイルカーペットの全面張替え
  • 壁紙(クロス)の張替え、または塗装の塗り直し
  • 蛍光灯の管球交換、ブラインドのクリーニング

ただし、近年多い「執務室と会議室をパーテーションで区切る」などの造作工事を行っていた場合、その解体・撤去費用が上乗せされるため、坪単価が5万円を超えることもあります。

店舗・飲食店の相場(坪単価5万〜10万円以上・スケルトン戻し)

最も高額になりやすいのが、飲食店や美容室などの店舗物件です。「スケルトン戻し(コンクリートむき出しの状態に戻す)」の特約がある場合、内装の解体費、厨房機器の撤去・廃棄費、ダクト等の設備撤去費が重くのしかかります。

特に焼肉店や中華料理店など、油を大量に使う業態の後は、排気ダクト内の特殊洗浄や油染みの除去が必要になり、坪単価が10万円〜15万円に達することも珍しくありません。

※よくあるトラブルとして、「居抜きで入居したのだから、退去時も居抜き(そのまま)で出たい」と借主が主張するケースがあります。これを防ぐため、契約書には「居抜きで引き渡した場合でも、退去時は本物件をスケルトン状態に回復して明け渡すこと」と明記しておくことが鉄則です。

4. 大家さんが知っておくべき「負担区分」と見積もりチェック術

「借主がつけた傷なのに、全額請求したら国交省のガイドラインを盾に拒否された…」
このようなトラブルを防ぐためには、大家さん自身が「何をどこまで請求できるか」のルールを知っておく必要があります。

経年劣化・通常損耗は「大家負担」、故意・過失は「借主負担」

国土交通省が定めている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の基本原則は以下の通りです。

  • 大家負担(経年劣化・通常損耗): 家具の設置によるカーペットのへこみ、日照によるクロスの変色、冷蔵庫裏の黒ずみ(電気ヤケ)、耐用年数を超えた設備の故障など。
  • 借主負担(故意・過失・善管注意義務違反): 飲みこぼしを放置したシミ、引越し作業でつけた壁の傷、タバコのヤニ汚れ、ペットによる傷や臭い、日常の清掃を怠ったことによるカビなど。

クロスの張替え請求は「残存価値」を考慮する

借主が壁に穴を開けた場合でも、新品のクロス代を全額請求できるわけではありません。クロスの耐用年数は「6年(72ヶ月)」と定められており、入居から何年経過しているかで借主に請求できる割合(残存価値)が減価償却によって下がっていきます。
例えば、新品のクロスに張り替えてから「3年」住んだ借主がタバコでクロスを汚した場合、残存価値は50%となるため、張替え費用の「半分」しか借主に請求できず、残りの半分は大家さんの負担となります。このルールを知らずに見積もり額をそのまま請求すると、必ず揉めます。

入居前の「写真付き状況確認書」が全てを解決する

「この傷は最初からありました!」「いや、なかった!」という言った言わないの争いを防ぐ唯一の方法は、入居前(鍵引き渡し時)に、各部屋の傷や汚れを写真に撮り、「入居時状況確認書」として借主と大家(管理会社)の双方でサイン・保管しておくことです。地味な作業ですが、退去時の無駄な交渉時間や精神的ストレスをゼロにする最も効果的な実務ノウハウです。

5. 京都南部で「退去精算」から「空室対策」までお悩みの家主様へ

原状回復工事が終わってホッとするのも束の間。大家さんにとって本当の勝負は、原状回復後の「いかに早く次の入居者を決めるか(空室対策)」です。
退去精算でトラブルになり工事着工が遅れ、せっかくの引越しシーズン(繁忙期)を逃してしまっては、数十万円規模の機会損失になってしまいます。

素早い原状回復と「強み」を活かした客付けを一気通貫で

私たち楽善不動産は、ただ原状回復の手配をするだけの管理会社ではありません。退去の連絡を受けた瞬間から、次の募集条件の最適化、場合によっては「今の時代に合わせたリノベーション」や「ペット可(特に大型犬可)物件への条件変更」による差別化をご提案します。

特に城陽市や京田辺市などでは、自然環境が豊かな一方で「ペットと暮らせる物件(特に戸建て)」が圧倒的に不足しています。原状回復のタイミングでペット対応の床材(クッションフロア等)に切り替え、SEOを意識した自社集客ノウハウを駆使することで、家賃を下げずに長期入居してくれる優良な飼い主様を見つけることが可能です。

「今の管理会社は退去精算の報告が遅い」「原状回復工事の見積もりが相場より明らかに高い気がする」「退去後、何ヶ月も空室が続いている」
そんなお悩みをお持ちの家主様は、ぜひ一度、現場主義のプロにご相談ください。オーナー様の資産価値を守り、収益を最大化するための具体的な一手をご提案いたします。

原状回復費用の妥当性や、退去後の空室にお悩みではありませんか?

弊社が活動拠点とする京都南部(城陽・宇治・京田辺・八幡周辺)の物件であれば、代表の佐々木が直接現地調査に伺い、相場と照らし合わせた最適な募集戦略をご提案します。
「他社の見積もりが適正か見てほしい」「とりあえず話だけ聞いてみたい」というご相談も大歓迎です。